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2016春のドラマ評 ~満島ひかりの狂気が炸裂する「トットてれび」~

変人が奇人を演じた結果。
トット5
原作『トットチャンネル』は大昔、
斉藤由貴・主演で映画化されたことがある。

あの映画では、斉藤由貴の
「不思議ちゃん」的な面を
活かそうとしていた。
徹子1
一方、NHK『トットてれび』は、
満島ひかりに秘められた「狂気」が
黒柳ワールドとシンクロしている。


黒柳さんは若い頃、
トット1NHKのオーディションを受け、
早口言葉の
「生麦・生米・生卵」を言わされ。

斉藤由貴は、これを
「ナマムミ・ナマモメ・ナマナマモ!」と
舌ったらずに言い。
トット20全然、言えてないのに本人はドヤ顔。
それ見て
審査員たちがクスクス笑う、と。

一方、満島バージョンは
「なまギャギャ×△!Ψж◇!」と
聞き取れない叫び。
トット13完全にアブナイ人だ。

黒柳さんと言うと「徹子の部屋」
「ザ・ベストテン」のイメージが強いけど。
舞台劇の時は、テレビでは見せない
エキセントリックな部分を出してたらしい。

トット21黒柳さんと満島ひかりは
内面的に、相通ずるとこがあると思う。

ドラマ第一話を見た黒柳さんは、
満島ひかりのアドリブを見て
「ホントに私がいいそう(笑)」と。

トット10また、満島ひかりには、
サイケデリックな衣裳や映像が
すごいマッチしている。

トット19
彼女は、このドラマのオファーを
受けた時 「私が、あの黒柳さんを?」と
爆笑したそうで。
存命の超有名人ということもあり、
一度は断った、という。

プロデューサーは、
「満島」案がダメだったら
誰にオファーしたんだろう。
今となっては
彼女以外、考えられない。





「誰かを演じる」とは「その人に寄せる」ことではなく。
トット6
『トットてれび』では、
当時のテレビを彩ったタレントが
多数登場する。

黒柳さんは、
トット14出来上がったドラマ映像を見て
「感じが似ている」と。

この“感じ”って
大事なことだと思うんだよね。

実話に基づいた作品の場合
トット9「いかに、その人物になりきるか」
みたいなのに、
力を入れ過ぎることがあるじゃない?
特にアメリカ映画とか。

そうなると
「そっくりさん大会」になっちゃうのよ。
トット27
その点、『トットてれび』は、
「実在の人物」に寄せ過ぎないのがいい。

見た目だけでいえば、
もっと似てる人はいたと思う。
そこを「似てるか、似てないか」
トット11微妙なラインの人たちをチョイスしている。

「向田邦子」役のミムラを
見た時は「おおっ!」となった。
髪型を向田さんと同じにしただけなのに、
「なんだ、この向田邦子感は!?」と。
トット16
実は彼女、前にもNHKドラマで
「向田邦子」を演じたことがあるそうで。

彼女の品の良さ、
文学系タイプなのが
うまくシンクロしたのかな、と。

徹子2あと「渥美清」役に
中村獅童というのは、最初
「うーん、どうかなぁ…」と思ってたけど。
回を重ねるごとに
渥美清に見えてくるから不思議だ。

ちなみに、黒柳さんによると
新井浩文が演じた「永六輔」が
そっくりで笑った、と。





演者を支える、美術チームの本気度。
徹子8
ドラマの見どころのひとつは、
テレビ黎明期のカオスな世界。

いかに「昭和の時代」を
蘇えらせるか、と。

徹子3こういうレトロものは、
美術班の腕の見せ所でしょう。

実際、当時の資料等を
かなり調べ上げて
取りかかった、という。
トット17
セット、小道具、衣装…
細部に渡り徹底して作ったのが伺える。

中でも、向田邦子さんの部屋は、
当時の写真、遺品をもとに
“完全再現”してそうな感じ。
トット2
テレビが「白黒」の頃でも、
セットはけっこうカラフル。

実際、カラフルだったそうです。
当時、出演者のテンションを
トット28上げる意味もあって
そうしていたのだ、と。

セットにしろ衣装にしろ。
当時のモノを、
まんま再現するのではなく
ドラマ用のアレンジを加えているそうで。
ドキュメンタリーではなく
ドラマだから、と。




禍福は糾える縄の如し。
トット18
満島ひかりが
このドラマを受けるにあたり、
危惧したのは
「再現ドラマになってしまうのでは」と。

実在の人物、実際のエピソード…
トット25っていうと、
「金スマ」のような再現VTR的なものに
なりかねない。

そのあたり『トットてれび』は
ドラマ企画として
よく練られているなぁ、と。
徹子7
前編は、テレビ誕生期の
テンヤワンヤな世界。
「昔のテレビ番組って、こんな
作り方してたんですよ」というね。

そして後編は、黒柳さんと
徹子5親友たちの関係性に焦点を当てており。

この二層構造が、いい具合に
ドラマとしての深みをもたらせている。

前編の「トットちゃん」は、
とにかくパワフルで何も考えず
徹子4イケイケな世界観だったけど。

後編の「トットちゃん」は
立ち止まって考えることが多くなる。

向田さんに言われた
徹子9「禍福は糾える縄の如し」
という言葉を実感したり。

前編は「テレビタレント・黒柳徹子」で、
後編は「人間・黒柳徹子」って感じ。

後編は「しんみり」度が、
かなり強くなっていくのだろう。
徹子6
それは親友が
一人、また一人…と
去っていく物語だから。

後編の主要人物である
向田邦子、渥美清、森繁久彌…
徹子10みんな、亡き人。

前編で登場した
沢村貞子、坂本九、
クレイジーキャッツ、三木のり平…
この人たちも鬼籍に入っている。

徹子14第5話の「向田邦子」編を
見てる時、なぜだか
『あまちゃん』を見ているような錯覚に。
それは「しんみり感」が
『あまちゃん』に似ていたからだと思う。

音楽が大友さんで、
ナレーションがキョンキョンだし。





トット3
黒柳「皆さん、すばらしい仕事をして、
   面白くて魅力的な人たちだったのに、
   死んでしまっているんだな、
   と改めて思ったら、
   死ぬことは あまりこわいことでは
   ないのかもしれないな、と思って。
トット12
   こんなすごい人たち皆が
   通って行ったのだから。
   ぜひ、このドラマを観て、
   死ぬのはこわくないと
   思っていただけたらと思います」





ちなみに・・・
徹子1
←今年、『徹子の部屋』に
永六輔、大橋巨泉が出演。

で、永六輔さんが
「さっき巨泉と話してたんだけど、
ここに渥美清がいたらなぁ、って」

徹子16この言葉を聞いた黒柳さん、
思わず感極まってしまって。

あの瞬間の涙で、
「同じ時代を共に生きた同士」
というのが伝わってきた。



徹子12


←『徹子の部屋』に
  来た時の渥美清。


徹子11


←『トットてれび』での渥美清。

ちゃんと衣装、合わせてるわww




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  1. 2016/06/06(月) 20:00:00|
  2. ドラマ