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人一倍の悔しがり屋でございました  [六代目・中村勘九郎]

[六代目・中村勘九郎、襲名披露の口上]

口上1



   このたび松竹株式会社、また先輩、後輩、幕内、
   皆々様のお力添え、そしてご贔屓、いずれも様のご賛同を得まして、
   父が46年間名乗り、戦い、魂こもりし「勘九郎」の名跡を
   六代目として襲名させていただく運びと相成りましてございまする。

   顔見世にて、このような立派な襲名披露興行、
   いや、この勘九郎の襲名披露興行が、こうやってできまするのは、
   本当に父のおかげでございます。
 
   父・勘三郎と、母・好江の間に生まれて誇りに思い、感謝をしております。


   「親子は一世」という言葉がございまして。芝居でございますけれど。
   先程、我當のおじさまが
   「親孝行者だ」とおっしゃってくださいましたけれども。

   ・・・・何も出来ておりません。
    産みの恩も・・・・・・

   本当に悔しゅうございます。
   もっと、いっぱい芝居がしたかったし、
   教わることなんて、もう、数え切れないほどあります。
   話もしたかった。
   飲みに行きたい場所、飲みたい酒、いっぱいあります。
   本当に悔しゅうございます。
   しかしながら、一番悔しいのは本人、父でございます。
   人一倍の悔しがり屋でございました。

   だって、大好きな芝居が、もう出来ないんです。
   大好きな仲間たち、先輩、後輩の皆様さんと芝居が出来ない。
   そして、皆様の笑顔が見られない。
   本当に無念だと思います。
   私たちも無念です。
   しかし本当に前へ進むしかないと思っております。
   進まなければ怒られると思います。
   そういう父でした。

   で、ございますので、頼もしき弟・七之助、
   ならびに中村屋スピリッツを受け継ぎし門弟、
   中村鶴松、中村小山三、中村勘之丞、中村山左衛門、中村仲之助、
   中村小三郎、中村いてう、中村仲四郎、中村仲太郎、
   皆と一所懸命、努力、精進し、切磋琢磨し、
   父がいつも言っておりました「お客様に少しでも笑顔になっていただく」
   「お客様に少しでも楽しんでいただく」ような、
   いい芝居を作り上げることを約束いたしますれば、
   何卒、いずれさまも温かき御声援、また厳しいご叱咤、
   ・・・それと、

   父のことを忘れないでください。

   心よりお願いを何卒、申し奉る次第にございまする。


口上2





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  1. 2012/12/06(木) 18:00:00|
  2. 手紙 ~message~